かつて「安旨ワインの聖地」と呼ばれたラングドック地方がいま、世界中のソムリエや愛好家を驚かせています。その変革の象徴とも言えるのが、2014年に独立したAOC(原産地呼称)として認められた「テラス・デュ・ラルザック」です。
今回のWinetravelerは、南仏の太陽を浴びながらも、驚くほどの透明感とエレガンスを湛えた「ラングドックの革命児」を巡る旅へと誘います。
目次
太陽と「冷涼な風」が交差する場所
モンペリエから北西へ車を走らせると、風景は一変します。目の前に現れるのは、ラルザック台地の険しい石灰岩の断崖。テラス・デュ・ラルザックのブドウ畑は、この断崖の麓、標高の高いエリアに広がっています。
この地の最大の特徴は「昼夜の寒暖差」です。昼間は南仏特有の強い日差しがブドウを完熟させますが、夜になるとラルザック台地から冷たい風が吹き降ろし、ブドウに美しい酸とフレッシュさを閉じ込めます。この「熱」と「冷」のコントラストが、従来のラングドックワインにはなかった、緻密で気品ある味わいを生み出すのです。
「ガリーグ」の香りを吸い込んで
畑の周りには、タイム、ローズマリー、ラベンダーといった野生のハーブ、いわゆる「ガリーグ」が群生しています。ラルザックのワインを口に含んだとき、ふわりと広がるスパイシーで清涼感のある香りは、まさにこの土地の風景そのもの。
シラー、ムールヴェードル、グルナッシュ、そして希少なカリニャン。これらが絶妙にブレンドされ、力強さの中にもシルクのような滑らかさを感じさせる、モダンな南仏スタイルが完成します。
中世の村で楽しむ、至福のペアリング
この地を訪れたなら、フランスの最も美しい村の一つ「サン=ギレム=ル=デゼール」の石畳を歩き、地元のビストロへ。
ラルザックのワインに合わせたいのは、この地方特産の山羊チーズ「ペラルドン」です。ワインの持つミネラル感と、チーズの爽やかな酸味、そしてハーブのニュアンスが重なり合い、完璧なマリアージュを奏でます。また、スパイスを効かせたジビエ料理や、地元の豚肉のグリルとも見事な相性を見せてくれます。
日本で堪能する、テラス・デュ・ラルザックの精鋭
ラングドックの新しい夜明けを象徴する、日本で購入可能な珠玉のドメーヌをご紹介します。
ラングドックのイメージを180度変えてしまうほどの衝撃。次の週末は、ラルザックの冷涼な風を感じる一杯と共に、新しい南仏の旅へ出かけてみませんか。
